土地家屋調査士って聞いたことはあるけど、具体的に何をする資格かよくわからない…という方、多いのではないでしょうか。実はこれ、独立開業で高収入が狙える穴場資格なんです。
簡単に言うと、土地や建物の「表示に関する登記」を専門に扱う国家資格。不動産の測量をして、法務局に登記申請をする仕事です。
弁護士や税理士ほど知名度はないけど、独占業務があるから仕事に困りにくいし、競合も比較的少ない。年収も開業後は1,000万円超えを目指せるレベルなんですよ。
ただし試験はしっかり難しいです。合格率は例年8〜10%程度。この記事では、しっかりとした戦略で合格を勝ち取るための勉強法を解説していきますね。

試験の概要を押さえよう
試験構成
土地家屋調査士試験は、筆記試験と口述試験の2段階で実施されます。
筆記試験(10月実施)
- 午前の部:測量に関する知識(測量士補を持っていれば免除)
- 午後の部:択一式(民法3問・不動産登記法+土地家屋調査士法17問)+記述式(土地1問・建物1問)
口述試験(翌年1月実施)
- 筆記合格者のみ受験
- 合格率はほぼ100%(落ちる人はほとんどいません)
合格率と必要な勉強時間
- 合格率:約8〜10%
- 勉強時間の目安:1,000〜1,500時間
- 受験資格:制限なし(誰でも受験可能)
- 受験手数料:8,300円
まず最初にやるべきこと:測量士補を取る
土地家屋調査士試験の午前の部(測量)は、測量士補の資格を持っていれば免除されるんです。この免除を使わない手はありません。
測量士補は合格率30〜40%程度で、勉強時間は200〜300時間くらい。土地家屋調査士の勉強を始める前に、まず測量士補を取得しておくのが鉄板ルートですよ。
- 測量士補の試験は毎年5月に実施
- 過去問の繰り返しで対策可能
- 午前の部免除により、午後の試験に全集中できる
科目別の勉強法
択一式:不動産登記法が最重要
択一式20問のうち17問が不動産登記法と土地家屋調査士法から出題されるので、ここが得点の柱になります。
- 不動産登記法の条文を何度も読み込む(特に表示に関する登記の部分)
- 過去問を最低5年分、できれば10年分を繰り返す
- 先例(通達・質疑応答)の学習も必要。テキストに載っている主要先例は必ず押さえましょう
- 民法は3問しか出ないので、深入りしすぎない。物権法と相続法を中心に
記述式:土地の問題が合否を分ける
記述式は土地1問と建物1問。これが土地家屋調査士試験の最大の特徴であり、最大の難関です。
土地の記述式
- 座標値の計算(関数電卓を使った測量計算)が必須
- 複素数モードを使った計算が主流
- 求積図・地積測量図の作成練習を繰り返す
- 計算ミスは命取り。検算の習慣をつけること
建物の記述式
- 建物の認定(何が建物として登記できるか)の判断基準を覚える
- 各階平面図・建物図面の作成練習
- 区分建物(マンション等)の問題も頻出
- 土地に比べると計算は少なめですが、法律知識が問われます

記述式で使う関数電卓の練習
この試験の特徴的なのが、関数電卓の持ち込みが認められていること。電卓の操作スピードが直接得点に影響するので、しっかり練習しましょう。
- 試験で使える電卓の機種は法務省が指定しているから要チェック
- カシオの「fx-JP900」シリーズが人気
- 複素数計算、三角関数、逆三角関数の操作を体に叩き込む
- ブラインドタッチレベルで使えるようになるまで練習する
効率的な勉強スケジュール
12ヶ月プラン(10月試験の場合)
11〜2月:基礎インプット
- 不動産登記法のテキストを一通り読む
- 民法の基礎(物権・相続中心)を固める
- 記述式の基本的な解法パターンを学ぶ
3〜5月:過去問演習開始
- 択一式の過去問を解き始める
- 記述式の練習を毎日1問ずつ
- 電卓操作の練習も並行して
6〜8月:過去問反復+弱点補強
- 過去問を繰り返す(択一は3周以上)
- 記述式は時間を計って本番形式で練習
- 模試を受けて実力をチェック
9〜10月:仕上げ
- 苦手分野の最終チェック
- 本番と同じ時間配分で通し練習
- 先例の最終確認
独学 vs 予備校、どちらを選ぶべき?
独学のメリット・デメリット
メリット
- 費用が安い(教材費5〜10万円程度)
- 自分のペースで進められる
デメリット
- 記述式の採点基準がわかりにくい
- 電卓操作や作図のコツを独力で習得するのが大変
- 教材が少なく、選択肢が限られる
予備校のメリット・デメリット
メリット
- 記述式の添削を受けられる
- 電卓操作を動画で学べる
- 合格に必要な情報が体系的にまとまっている
デメリット
- 費用が高い(30〜50万円程度)
- カリキュラムに縛られる
正直なところ、記述式の対策は予備校や通信講座を使った方が効率的です。特に作図と電卓操作は動画で見た方が圧倒的に理解しやすいですよ。フル独学にこだわるより、記述式だけ講座を使う「ハイブリッド型」がおすすめです。
おすすめ教材
- 東京法経学院のテキスト:土地家屋調査士試験では最大手。テキストの質が高いです
- 早稲田法科専門学院の過去問集:解説が丁寧で独学にも使いやすい
- 日建学院のテキスト:図解が多く初学者にも親切
- 法務省公開の過去問:無料で入手可能。必ず活用しましょう
合格後のキャリアと将来性
土地家屋調査士は独立開業型の資格です。合格後は事務所に就職して経験を積んでから独立するのが一般的なルートになります。
- 平均年収:600〜800万円(独立後は1,000万円超えも可能)
- 独占業務:表示に関する登記の代理申請は土地家屋調査士の独占業務
- 将来性:不動産は常に取引があるため需要は安定。AIに代替されにくい現場仕事が多い
- ダブルライセンス:司法書士や行政書士との相性が抜群
知名度は低いけど、安定した収入と独立の道が開ける魅力的な資格です。参考:法務局 不動産登記
よくある質問(FAQ)
Q. 測量の知識がゼロでも大丈夫ですか?
A. 大丈夫です。まず測量士補を取得する過程で基礎知識が身につきます。測量士補はテキストと過去問だけで十分合格できるので、安心してくださいね。
Q. 文系でも合格できますか?
A. 合格者の約半数は文系出身と言われています。計算は関数電卓を使うので高度な数学知識は不要です。パターンを覚えれば対応できますよ。
Q. 1年で合格できますか?
A. 可能です。特に測量士補を先に取得して午前免除を活用し、1日3〜4時間の勉強時間を確保できれば、1年での合格は十分現実的です。
Q. 土地家屋調査士と司法書士のダブルライセンスは有効?
A. 非常に有効です。表示の登記(調査士)と権利の登記(司法書士)の両方ができるので、ワンストップでサービスを提供でき、収入も大幅にアップします。
Q. 開業にはいくらかかりますか?
A. 最低限の設備で100〜200万円程度。測量機器のリースを利用すれば初期費用を抑えられます。自宅開業からスタートする方も多いですよ。

まとめ:戦略的に勉強すれば1年で合格できる
- 合格率8〜10%だけど、1年計画で十分合格可能
- 測量士補を先に取って午前免除を活用するのが鉄板ルート
- 記述式(特に土地)の練習を毎日やるのが合格の近道
- 電卓操作をブラインドタッチレベルまで鍛える
- 独立開業で年収1,000万超えも狙える穴場資格
- 司法書士とのダブルライセンスは最強の組み合わせ
土地家屋調査士試験は合格率8〜10%と決して簡単ではないですが、しっかり戦略を立てれば1年で合格することは十分可能です。知名度は低いけど、安定した収入と独立の道が開ける魅力的な資格。チャレンジする価値は大いにありますよ。
※この記事の情報は2026年4月時点のものです。試験制度や受験要件は変更される可能性がありますので、最新情報は法務省の公式サイトでご確認ください。


