インテリアコーディネーター(IC)は、住宅やオフィスなどの内装全般をコーディネートするプロフェッショナルの資格です。公益社団法人インテリア産業協会が実施している民間資格ですが、業界での認知度・信頼度は抜群に高いです。
合格率は一次試験が約30%前後、二次試験が約60%前後で推移しています。一次と二次の両方に合格して初めて資格取得となるため、トータルの合格率は約20%程度とそれなりに歯ごたえのある試験です。
この記事では、インテリアコーディネーター試験の勉強法を一次・二次試験別に詳しく解説します。効率的な学習の進め方から、おすすめの教材まで網羅していますので、ぜひ参考にしてください。

試験の概要をおさらい
一次試験(学科試験)
- 時期:毎年10月(スケジュールは公式サイトで要確認)
- 形式:マークシート方式
- 出題範囲:インテリアの歴史、計画、構造、設備、環境、法規、表現など幅広い
- 試験時間:160分
二次試験(プレゼンテーション・論文試験)
- 時期:毎年12月
- 形式:プレゼンテーション(製図)+論文
- 試験時間:180分
一次試験に合格すると、その年と翌年の2回、二次試験を受験できます。そのため「1年目は一次合格に集中、2年目に二次を受ける」という2年計画も全然アリです。むしろ社会人にはこの2年計画をおすすめします。
勉強に必要な時間はどれくらい?
インテリアコーディネーター試験の合格に必要な勉強時間の目安は以下の通りです。
- 一次試験:200~300時間
- 二次試験:100~150時間
- 合計:300~450時間
1日2時間の勉強で、約半年~8ヶ月くらいのイメージです。インテリアに全く触れたことがない方は、もう少し余裕を持って計画した方がいいでしょう。
ただし、「勉強時間」よりも「勉強の質」の方が圧倒的に大事です。300時間ダラダラやるよりも、200時間集中してやった方が結果は出ます。これから解説する勉強法を実践すれば、効率よく合格ラインに到達できるはずです。
一次試験の勉強法
出題範囲が広い!効率的に攻略するコツ
一次試験の大きな特徴は、出題範囲が非常に広いことです。インテリアの歴史から建築構造、色彩学、照明計画、法規まで、本当に幅広い知識が問われます。
だからこそ、「全部完璧にしよう」とするのはNGです。頻出テーマを把握して、効率よく点数を取りにいくのが正解です。「やらないことを決める」ことが、効率的な学習の第一歩です。全範囲を均等にやるのは一見真面目に見えますが、実は一番効率が悪い勉強法なのです。
頻出テーマTOP5
- インテリアの歴史・様式:西洋と日本の建築・家具の歴史は毎年出題されます。写真を見て様式を答える問題も
- 色彩・照明:マンセル表色系、色の三属性、照明の種類と特徴
- 人間工学・寸法:家具やキッチンの標準寸法、人体寸法との関係
- 建築構造・設備:木造・RC造の基本構造、給排水・空調設備
- 関連法規:建築基準法、消防法の基本知識
具体的な勉強の進め方
Phase 1:テキスト通読(1~2ヶ月)
まずはインテリアコーディネーターハンドブック(インテリア産業協会発行)を通読しましょう。これが公式テキストで、試験範囲のすべてがカバーされています。ただし分厚いので、最初は「へ~」くらいの感覚で読み流してOKです。
読みやすさ重視なら、市販の「インテリアコーディネーター1次試験 合格テキスト」系の教材がおすすめです。要点がまとまっていて効率的に学べます。
Phase 2:過去問演習(2~4ヶ月)
テキストを一通り読んだら、すぐに過去問に取りかかりましょう。過去問を解くことで、「どこが出やすいか」「どんな聞かれ方をするか」が体感でわかるようになります。
最低でも過去5年分は解きたいところです。特にインテリアの歴史・様式は、過去問と似た問題がよく出ます。写真や図版と一緒に覚えるとビジュアル記憶として定着しやすく、文字だけの暗記の3倍くらい効率が良いと言われています。
Phase 3:弱点補強+暗記の追い込み(5~6ヶ月目)
過去問で苦手な分野がわかったら、そこを集中的に潰していきましょう。特に法規や設備の数値問題は、最後の追い込みで暗記するのが効率的です。「覚えるだけ系」の知識は直前に詰め込む方が本番で使えます。
二次試験の勉強法
プレゼンテーション(製図)対策
二次試験の最大の壁は製図です。「絵が下手だから無理…」と思うかもしれませんが、プレゼンテーション試験で求められるのはアート作品ではありません。「伝わる図面」を描ければいいのです。
具体的には、平面図・展開図・パース(透視図)・家具の配置図などを、与えられた条件に合わせて描きます。色鉛筆での着彩も必要になります。
製図対策のポイントは以下の通りです。
- まずは模写から:参考書の解答例を何度も模写して、図面の描き方の「型」を覚えましょう
- 時間配分が命:180分で論文+製図をこなすため、製図に使える時間を逆算して練習しましょう
- 家具のテンプレートを用意:よく出るソファ、テーブル、ベッドなどは、サイズと描き方をパターン化しておきましょう
- 色鉛筆は12色で十分:使う色を決めておくと、本番で迷いません
製図の上達は「量」がものを言います。最初は下手でも、30枚くらい描くと見違えるほど上手くなります。とにかく手を動かすことが大事です。
論文対策
論文は、インテリアに関するテーマについて自分の考えを述べるものです。文字数は550~600字程度で、それほど長くはありません。
対策としては以下の通りです。
- 過去に出題されたテーマを確認して、「序論→本論→結論」の構成で書く練習をする
- インテリアの専門用語を適切に使えるようにしておく
- 時間は30分程度で書き上げる練習をする
独学 vs スクール、どっちがいい?
独学が向いている人
- 一次試験対策がメインの人
- 自分でスケジュール管理ができる人
- 費用を抑えたい人(テキスト+問題集で1~2万円程度)
スクールが向いている人
- 二次試験の製図対策が不安な人
- 製図の添削を受けたい人
- 一人だとモチベーションが続かない人
正直な話、一次試験は独学で十分対策できます。しかし二次試験の製図は、誰かに見てもらわないと「これで合格レベルなのか?」が判断しにくいのが実情です。二次試験だけスクールや通信講座を活用するのもコスパ的にアリです。
特に製図のような「正解が一つではない」タイプの課題は、独学だと自分の弱点に気づけないまま進んでしまうリスクがあります。プロのフィードバックを受けることで、効率的に実力を伸ばすことができます。

おすすめの教材
- 公式テキスト:インテリアコーディネーターハンドブック(上・下巻)
- 一次対策:「インテリアコーディネーター1次試験 過去問題徹底研究」(ハウジングエージェンシー)
- 二次対策:「インテリアコーディネーター2次試験 予想問題徹底研究」(ハウジングエージェンシー)
合格後のキャリア
インテリアコーディネーターの資格を取ると、以下のような分野で活躍できます。
- 住宅メーカー・工務店でのインテリア提案
- 家具ショップ・インテリアショップでのコーディネート
- リフォーム会社での内装設計
- フリーランスのインテリアコーディネーター
関連資格として、「キッチンスペシャリスト」「カラーコーディネーター」「福祉住環境コーディネーター」などとのダブルライセンスも人気です。複数の資格を組み合わせることで、提案の幅が広がって市場価値がグッと上がります。
よくある質問(Q&A)
Q. インテリアに全く知識がない未経験者でも合格できますか?
A. 十分に合格可能です。多くの合格者がインテリア未経験からスタートしています。半年~1年の学習期間を確保すれば、ゼロからでも合格ラインに到達できます。
Q. 一次試験と二次試験を同じ年に受けるべきですか?
A. 時間に余裕がある学生や主婦の方なら同年受験もアリですが、社会人には2年計画がおすすめです。一次合格の翌年にも二次を受験できるため、無理なく準備ができます。
Q. 製図が苦手でも二次試験に合格できますか?
A. できます。製図はアートではなく「伝わる図面」が求められるため、パターンを覚えて練習を重ねれば大丈夫です。模写を30枚程度繰り返すと、十分な実力がつきます。
Q. 独学で合格するのに必要な費用はどれくらいですか?
A. テキスト+問題集で1万~2万円程度です。受験料は一次・二次合わせて約1万5千円ですので、トータル3万円以内に収まります。
Q. インテリアコーディネーターの年収はどれくらいですか?
A. 平均年収は400万~500万円程度です。経験を積んでフリーランスとして独立すれば、600万円以上も可能です。住宅メーカーや設計事務所に所属するケースが一般的です。
参考リンク
- 公益社団法人インテリア産業協会:試験の公式情報
- 日本インテリアデザイナー協会:業界情報の参考に
- ハウジングエージェンシー:対策教材の出版元

まとめ
インテリアコーディネーター試験は、出題範囲が広いですが過去問中心の勉強法で一次試験は攻略可能です。二次試験の製図は慣れが必要ですが、パターン練習を重ねれば大丈夫です。
勉強のポイントをまとめます。
- 一次試験は「テキスト通読→過去問演習→弱点補強」の流れで進めましょう
- 頻出テーマ(歴史・色彩・人間工学・法規)を優先的に攻略しましょう
- 二次試験の製図は模写でパターンを叩き込みましょう
- 2年計画で一次→二次と段階的に取り組むのもOKです
- 二次対策だけスクールを活用するのもコスパ良しです
インテリアが好きな方にとっては、勉強自体が楽しいはずです。住空間をプロの視点で見られるようになるのは、仕事にも日常にもプラスになります。「好きなジャンルの資格を取る」という目標がある方は本当に強いです。好きこそものの上手なれ、という言葉の通り、ぜひ挑戦してみてください。
※本記事の情報は執筆時点のものです。試験制度の変更により、内容が変わる場合があります。最新情報はインテリア産業協会の公式サイトでご確認ください。


